2011年3月11日に発生した東日本大震災によって発生した津波は、福島県に大きな被害をもたらしました。加えて福島第一原子力発電所事故による放射能汚染など、震災当初の「福島」は大変な状況に置かれていました。しかし「福島」は、復興を行うだけでなく新しい街として再生し始めています。
福島県は震災当初、県の面積の約12%が避難指示区域でしたが、現在は、除染などにより避難指示解除に向けた動きが進み約5%まで避難指示区域は減少しています。
また、空間線量率も大幅に減少し福島第一原子力発電所に近く、避難指示が解除されたばかりの南相馬市小高地区を含め、福島県内の多くの場所で、空間線量率が諸外国の都市とほぼ同じ水準になっています。
福島県環境放射線モニタリング・メッシュ調査に基づく福島県全域の空間線量率マップ
【出典】ふくしま復興のあゆみ<第19版>(福島県 新生ふくしま復興推進本部発行)
海外と福島県の空間線量率比較
福島県の人口推移を見ると世帯数は震災前よりも増加し、震災当初47万人いた避難者数も2017年2月の段階で、約8万人と大幅に減少しています。
福島県の人口推移【出典】ふくしま復興のあゆみ<第19版>(福島県 新生ふくしま復興推進本部発行)
【出典】福島県災害対策本部「平成23年東北地方太平洋沖地震による被害状況即報」各月最終報
日本では、食品の安全と安心を確保するために、食品からの年間線量の上限を放射性セシウム以外からの線量も含めて1ミリシーベルトとする世界で最も厳しい基準値を震災後の2012年4月1日に設定しました。
食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の指標に準拠した基準値で、この基準値に基づき生産・流通・消費の各段階で食品の放射性物質検査を行い、検査の結果、この基準値を超過した食品は市場には出荷されていません。
産業復興の柱の1つとしてロボット産業の振興を位置づけている福島県。県が主催となりロボットに対する県民、特に若い世代の関心を高めることを目的に2015年から「ロボットフェスタふくしま」が開催されています。
2016年は、「航空宇宙フェスタふくしま」を同時開催に、約7,200名が来場するイベントになりました。
【出典】ふくしま復興のあゆみ<第19版>(福島県 新生ふくしま復興推進本部発行)
2010年の第1回開催以来、毎年開催されている市民マラソン大会「いわきサンシャインマラソン」。
第8回目を迎えた2017年は、いわき市制施行50周年の記念事業として位置づけ、快晴の中、全国各地から過去最多の9,313人のランナーが出走し、盛り上がりを見せたイベントです。
【出典】
いわきサンシャインマラソン実行委員会
(www.iwaki-marathon.jp)
津波などにより失われた浜通りでは、産業と雇用を回復するために「福島イノベーション・コースト構想」が進められています。
具体的には、世界に前例のない廃炉やロボット技術に関連する研究や開発、エネルギー関連産業の集積、先端技術を活用した農林水産業の再生、未来を担う人材の育成強化などを通じ、新たな産業や雇用を創出することで、住民が安心して戻り、働けるよう取り組んでいます。
【出典】ふくしま復興のあゆみ<第19版>(福島県 新生ふくしま復興推進本部発行)
エイブルは、「福島イノベーション・コースト構想」の一翼を担っているだけでなく、原子力発電所をはじめとした、さまざまなプラントや技術、資格取得のための教育や研修を行い、正しい知識と情報を習得していただいているほか、単身寮や一般世帯向け借上げ社宅を用意し、福島県内外から多くの方々を採用し、就業していただいています。